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岩名泰岳×松元悠 二人展
IWANA Yasutake × MATSUMOTO Haruka

一揆米屋を襲ふ

会期:2025年10月9日(木)―26日(日)

時間:13時―19時(最終日17時迄)

休廊:月・火・水​

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一揆米屋を襲ふ 岩名泰岳×松元悠 二人展

 

画家・岩名泰岳(1987-)と版画家・松元悠(1993-)による初の2人展「一揆米屋を襲ふ 岩名泰岳×松元悠 二人展」を開催いたします。

 

岩名泰岳は故郷である三重県の村の生活や過疎化の手触りのようなものを抽象的な油彩画で描いてきました。松元悠は実際に起きた事件の取材を重ね、当事者の追体験を試みるような緻密で幻想的なリトグラフ作品を制作しています。絵画(油彩画)と版画(リトグラフ)、筆致と印刷、抽象とリアリズムなど、両者の作品は一見するととても対照的に映るかも知れませんが、その制作過程からは”人々の生活を美術で記録する”という共通の姿勢を見出すことができます。また、村の堆肥工場の従業員と壁画の共同制作を行う岩名と法廷画家として裁判の様子を記録する松元からは既存の美術制度から一歩外れた場所に赴いて制作実践を行うという独自の活動にも注目することができます。

 

本展のタイトルである「一揆米屋を襲ふ」は1918年(大正7年)に富山県で起きた米騒動のはじまりを報じた当時の新聞記事(『北陸タイムス』1918年7月25日)に由来します。

松元は1918年7月に米価高騰に苦しむ富山の女性たちが起こした抗議運動を取材した新作のリトグラフ作品を展示いたします。その後、新聞や噂話によって米騒動は全国各地に広がり、やがて暴力や打ちこわしへと姿を変えました。翌8月には現在の岩名のアトリエのすぐそば(三重県島ヶ原村)で労働者たちが蜂起して米の運送業者や米商店を襲撃したと記録されています。岩名もまた地元で起きたこの騒動から着想を得た新作の油彩画を展示いたします。

そして本展では米騒動を題材に制作した新作と共に両作家の過去作品も一部展示いたします。大正時代(1918年)と令和(2024年~)の日本で起きたふたつの米騒動を繋げていくことで、岩名による過疎地域の農家や田畑、稲作信仰、松元による犯罪事件と女性たちの生活改善運動など、両者がこれまで取り組んできた過去の作品との関係性が浮かび上がり、ふたりの作家が描いてきたものは時代を越えたいくつもの日本の風景であったことが窺えます。

 

岩名と松元は本展を展覧会ではなく”美術運動”だと話します。それは戦前の農民芸術やプロレタリア美術、戦後のルポルタージュ絵画などを想起させる言葉です。本展は現在もつづく米騒動という確実な解決策を見出せない社会問題を通して、近年のアートが目を逸らしてきた”生活者の美術”を考える試みとなり、これらの実践の波が今後各地に広がっていくことを何より願っています。

 

2025年 晩夏       「一揆米屋を襲ふ 岩名泰岳×松元悠 二人展」主催者一同

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岩名 泰岳  / IWANA Yasutake

 

略歴

1987 三重県伊賀市生まれ。旧島ヶ原村で育つ

2004 伊賀市出身の画家・元永定正(1922-2011)に抽象画を学ぶ

2010 成安造形大学造形学部造形美術科洋画クラス 卒業

2010-2012 デュッセルドルフ芸術アカデミー(ドイツ)で絵画を学ぶ

2013 島ヶ原にて地元の若者と島ヶ原村民芸術「蜜の木」(現「蜜ノ木」)を結成

2024 島ヶ原にて県外の画家たちと「ゑ講」を結成

2024 島ヶ原の堆肥工場で働き始め、従業員たちと堆肥画の制作を行う

 

【主な個展】

2025 「けものたちのくに」タグチファインアート(東京)

2017 「シマガハラ 2004-2017」波止場(愛知)

2017 「七ツノ華より」ギャラリーあしやシューレ(兵庫)

2016 「オイテケボリノキミニキセキヲ」ギャラリーほそかわ(大阪)

2015 「観音山」Mizuho Oshiro ギャラリー (鹿児島)

2015 「観音山」MA2ギャラリー (東京)

2014 「土の骨・星の花」SENSARTギャラリー (三重)

2012 「Universum」reinraum e.V. (デュッセルドルフ/ドイツ)

 

【近年の主なグループ展】

2025「芭蕉×ART 伊賀のアーティスト特別展」入交家住宅(三重)

2024「Remaining Fragments」CADAN有楽町(東京)

2023「VOCA展2023」上野の森美術館(東京)

2022「ほんせん 元永定正 岩名泰岳」MA2ギャラリー(東京)

2021「Re: Home」成安造形大学(滋賀)

2021「Pulse 岩名泰岳 西村涼」ギャラリーあしやシューレ(兵庫)

2020「ステイミュージアム」三重県立美術館

2019「いのち耕す場所ー農業がひらくアートの未来」青森県立美術館

2018「くずれる家」Iwana_Mitsunoki Studioほか(三重)

2015「Kiseki -キセキ-」観菩提寺正月堂 客殿(三重)

2015「三重の新世代2015」三重県立美術館

松元 悠  / MATSUMOTO Haruka

 

略歴

1993 京都府生まれ

2015年京都精華大学芸術学部メディア造形学科版画コース 卒業

2018年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻版画 修了

最近は関西をベースに法廷画を担当している。

 

【個展】

2025 「注目作家紹介プログラム チャンネル16『松元悠 夢』」兵庫県立美術館

2025 「再び浮かび上がるもの」岐阜現代美術館

2024 「サラバ化物(憶測の追跡)」茨木市立ギャラリー(大阪)

2023 「版画報、道が動く」越後妻有里山現代美術館 MonET(新潟)

2021 「架空の竜にのって海をこえて幻の島へ」kara-Sギャラリー (京都)

2020 「独活の因縁|The Fate of an Udo」Medel Gallery Shu (東京)

2019 「活蟹に蓋」三菱一号館美術館 歴史資料室 (東京)

2019 「血石と蜘蛛」 YEBISU ART LABO (愛知)

2018 「カオラマ」 京都芸術センター南・北 (京都)

 

【近年のグループ展】

2025「スケッチーズ|八瀬の石黒さん家から見た世界」京都精華大学ギャラリーTerra-S(京都)

2024「Ginza Curator’ s Room #010 中村 裕太『月ニトハルル』」思文閣銀座(東京)

2024「メンガーのスポンジ」名古屋芸術大学 Art & Design Center

2024「漫画圏」アート/空家 二人(東京)

2024「VOCA展」上野の森美術館(東京)

2023「出来事との距離―描かれたニュース・戦争・日常」町田市立国際版画美術館(東京)

2022「KAWAKYU ART EXHIBITION 実在する夢」川久ミュージアム(和歌山)

2022「第3回 PATinKyoto 京都版画トリエンナーレ2022」京都市京セラ美術館 

2021「一歩離れて / A STEP AWAY FROM THEM」ギャラリー無量(富山)

2021「船は岸に辿り着けるのか」TALION GALLERY (東京)

2021「群馬青年ビエンナーレ2021」群馬県立現代美術館

2021「魂の影 Tracing the soul」プライベイト(東京)

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​過去の展覧会はこちら

2kwgallery

〈二キロワットギャラリー〉

2010年4月、作家によるアーティストランスペースとして大阪府京町堀に2kwgallery・2kw58を開廊。2017年6月より滋賀県大津市へ新たにスペースを構え移転。現代絵画を中心に関西の作家を紹介する。

〒520-0053
滋賀県大津市音羽台3-29-1 
★JR東海道本線大津駅南口改札より徒歩5分
★京阪京津線上栄町駅より東南へ徒歩8分

 

営業時間:13時―19時(最終日17時迄)

     ※展覧会会期中のみ営業

  休廊:月・火・水

tel

090-5241-8096

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