
Upcoming Exhibition
出村谷 幸子 DEMURAYA Sachiko
ALMA COLORIDA―カラフルな魂―
会期:2025年9月6日(土)―28日(日)
時間:13時―19時(最終日17時迄)
休廊:月・火・水


9月の展覧会は、2kwgalleryで初めてとなる出村谷幸子による個展を開催いたします。
ぜひご高覧頂けたら幸いです。
魂の色が、みえる?
赤くふるえる日もあれば、
真っ青に爆ぜる夜もある。
透明なまま、かたちを持たないこともある。
そんな魂を、文様としてわたしは描く。
それは、記憶の抜け殻、祈りの落書き。
そして、魂は自由になる、「ひとがた」にのせて。
あなたの中の、まだ知らない魂の色に
会いに来てください。 /出村谷幸子
出村谷幸子
略歴
2025 大阪芸術大学大学院後期課程修了
現在 大阪府貝塚市 在住
公募・グループ展
2019 大阪芸術大学 卒業制作展 学科賞
2022 「Osaka Indecompe 2022」ターナー色彩賞
2022 コンペ「端材に生命を吹き込む」最優秀賞
2023 「LABYRINTH RESONANCE|迷宮共鳴」古民家グループ展
2025 大阪芸術大学大学院修了展 学長賞
Upcoming Exhibition 2
岩名泰岳×松元悠 二人展
IWANA Yasutake × MATSUMOTO Haruka
一揆米屋を襲ふ
会期:2025年10月9日(木)―26日(日)
時間:13時―19時(最終日17時迄)
休廊:月・火・水


一揆米屋を襲ふ 岩名泰岳×松元悠 二人展
画家・岩名泰岳(1987-)と版画家・松元悠(1993-)による初の2人展「一揆米屋を襲ふ 岩名泰岳×松元悠 二人展」を滋賀県大津市の2kwギャラリーにて開催いたします。
岩名泰岳は故郷である三重県の村の生活や過疎化の手触りのようなものを抽象的な油彩画で描いてきました。松元悠は実際に起きた事件の取材を重ね、当事者の追体験を試みるような緻密で幻想的なリトグラフ作品を制作しています。絵画(油彩画)と版画(リトグラフ)、筆致と印刷、抽象とリアリズムなど、両者の作品は一見するととても対照的に映るかも知れませんが、その制作過程からは”人々の生活を美術で記録する”という共通の姿勢を見出すことができます。また、村の堆肥工場の従業員と壁画の共同制作を行う岩名と法廷画家として裁判の様子を記録する松元からは既存の美術制度から一歩外れた場所に赴いて制作実践を行うという独自の活動にも注目することができます。
本展のタイトルである「一揆米屋を襲ふ」は1918年(大正7年)に富山県で起きた米騒動のはじまりを報じた当時の新聞記事(『北陸タイムス』1918年7月25日)に由来します。
松元は1918年7月に米価高騰に苦しむ富山の女性たちが起こした抗議運動を取材した新作のリトグラフ作品を展示いたします。その後、新聞や噂話によって米騒動は全国各地に広がり、やがて暴力や打ちこわしへと姿を変えました。翌8月には現在の岩名のアトリエのすぐそば(三重県島ヶ原村)で労働者たちが蜂起して米の運送業者や米商店を襲撃したと記録されています。岩名もまた地元で起きたこの騒動から着想を得た新作の油彩画を展示いたします。
そして本展では米騒動を題材に制作した新作と共に両作家の過去作品も一部展示いたします。大正時代(1918年)と令和(2024年~)の日本で起きたふたつの米騒動を繋げていくことで、岩名による過疎地域の農家や田畑、稲作信仰、松元による犯罪事件と女性たちの生活改善運動など、両者がこれまで取り組んできた過去の作品との関係性が浮かび上がり、ふたりの作家が描いてきたものは時代を越えたいくつもの日本の風景であったことが窺えます。
岩名と松元は本展を展覧会ではなく”美術運動”だと話します。それは戦前の農民芸術やプロレタリア美術、戦後のルポルタージュ絵画などを想起させる言葉です。本展は現在もつづく米騒動という確実な解決策を見出せない社会問題を通して、近年のアートが目を逸らしてきた”生活者の美術”を考える試みとなり、これらの実践の波が今後各地に広がっていくことを何より願っています。
2025年 晩夏 「一揆米屋を襲ふ 岩名泰岳×松元悠 二人展」主催者一同
