
Upcoming Exhibition
谷内春子 寺島みどり
TANIUCHI Haruko / TERASHIMA Midori
サーカス
会期:2025年12月6日(土)―27日(土)
時間:13時―19時(最終日17時迄)
休廊:月・火・水


12月の2kwgalleryでは、油絵と日本画というそれぞれ異なったスタイルで制作を行う寺島みどりと谷内春子、二名の画家による展覧会を開催致します。
「サーカス」の観覧に向けて
𠮷川神津夫(現代美術批評)
谷内春子と寺島みどりはいずれも京都市立芸術大学の卒業生である。しかし、専攻も世代も異なる二人の接点はこれまでなかった。今回の展覧会は、2kwギャラリーの金子氏の企画によるものである。しかし。金子氏からは「異ジャンルの激突」という言葉は聞いたものの、それ以上の説明はなかった。その中で二人は、あくまで自らの現在のテーマに沿って制作を進めてきたのだ。お互いの出品作品を知ったのは、展示作業当日のことである。
まずは作品に触れていこう。
谷内にとっては、自然の中に身を置くことが制作にとって重要な要素である。山や海、大地などから体感したものを、時には現地で採集した貝殻や砂を画材として用いて、画面を構築していく。細い色面を塗りつぶして生まれる線を組み合わせて、画面の外に向けて動いていく絵画を生み出しているのだ。今回の出品作の中には、この夏に滞在していた高知県大月町での体験を反映したものもある。
一方、寺島の作品でも線が重要な要素となっている。こちらは身体性を感じさせるストロークの集積によって、動感がある画面を生み出している。一見、瞬発的な衝動によって描かれているようにも見える。しかし、実際は長い時間をかけて画面と向き合う中で線が重ねられていったのである。そして、絵を描き進めていく中で風景を発見するという。それは、自らが見て感じてきた風景の記憶が反映しているものといえよう。
こうした二人の作品を、さながらセッションを重ねるように展示して生まれたのが、「サーカス」の空間である。それぞれの線が響きあい、谷内の色面が、寺島の細長いドローイングの色面に呼応する。また、谷内の作品間に段差をつけた展示方法は。この展覧会以前から用いているものである。それが、タイトルから想像される躍動感と結びつき、寺島の小品ドローイングの展示へとつながっていく。
「サーカス」というタイトルは、中原中也の作品名からとられたものである。ただ、詩の内容を知っても知らなくても、そこにとらわれる必要はなかろう。それぞれの「サーカス」を見つければ良いのだから。
【 トークイベント 】
寺島みどり、谷内春子の二名とゲストに吉川神津夫 氏(現代美術批評)を迎えて会場内で作品についてお話しします。
日時:12月21日(日)15:00ー17:00
会場:2kwgallery 1F
参加費:無料
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そういえば、私は色が好きだ。
色はドキドキする。いつも色を扱っている。
どうやら、色にはこだわりがあるようだ。
色をベタベタ塗るのも好きだ。
それは、タッチを重ねることが好きだということかもしれない。
でも、うまくいかないと感じることが多い。
タッチは色より儚い。
色が生まれる過程にあるような、そんな存在だ。
絵を描く感覚は、色やタッチで空間を作り上げては更新していくこと。
画面と向き合いながら、ドキドキする。
そんな感覚で描いている。
仕上がりは、大概気に入らない。
途中の方がいいと思うことが多い。
でも、できたと思える作品は、生きている。
画面の中の空間が、常に更新されているように見える。
それってマジック。
それって生き物。
それって独立した存在。 / 寺島みどり
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絵を描くこと、見ることを人間がやめようとしないのはなぜだろう。
そんな問いを持つことにとても関心があります。
今の私の答えは、「世界の見つめ方を問う仕掛け・装置」としての絵という考え方です。
これまでよくその感覚を「庭」にたとえてきました。
確かに庭を見ているはずが、今いる場所が揺れうごき、時間の感覚も曖昧になる仕掛けが施されいると考えられるからです。
画面を庭のようなものに見立て、形象を配置することで風景をとし、
絵画(平面)というメディアがもつ、認識の世界を問う可能性を探しています。 / 谷内春子
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寺島 みどり / TERASHIMA Midori
略歴
1972年京都府生まれ
1998年京都市立芸術大学大学院美術研究科絵画専攻油画修了
1997年以降、国内外で作品を発表。油彩画のほか、ライブペンティンや大掛かりなウォールペインティングも行う。
主な展示
2002:Gallery Den(大阪)
2007:「VOCA展2007」上野の森美術館(東京)
2008:「BLUEDOT ASIA 2008」ソウルアーツセンター(韓国/ソウル市)
2009:奈義町現代美術館(岡山)
2010:京都芸術センター北ギャラリー(京都),「とよた美術展2010」豊田市美術館(愛知)
2011:Art Space With Artist(韓国パジュ市),Gallery Cha(韓国ソウル市)
2012:横浜・黄金町(神奈川)<黄金町バザール 2012>
2013:「アートがあればII ─ 9人のコレクターによる個人コレクションの場合」オペラシティアートギャラリー(東京)
2018:O’NEW WALL GALLERY (韓国・ソウル)
2023:GALLERY Ami-Kanoko (大阪)(2025)
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谷内春子 / TANIUCHI Haruko
略歴
1986 京都市生まれ
2015 京都市立芸術大学大学院博士(後期)課程美術研究科絵画専攻日本画領域修了
2019-現在 京都市立芸術大学専任講師
主な個展
2013 「うたたねの眺め」(数寄和・数寄和大津/東京・滋賀)
2021 「Möbius loop」(+1art/大阪)
2024 「四角形の空想」(ギャラリー恵風/京都)
2024 「知覚する風景」(2kwギャラリー/滋賀)
近年のグループ展
2016 京都府新鋭選抜展(京都文化博物館/京都)
2017「内接・外接-soft touch」二人展(+1art/大阪)
「ART 町家 STAY 」ーハレとケー(庵・筋屋町町家/京都)
2018 「SAGA TRIALOGUE」 三人展(嵯峨美術大学/京都)
2019 シェル美術賞入選 (国立新美術館/東京)
2020 「透明」3人展(2kwgallery/大津)
「日本画・絵画論」3人展、企画:潮江宏三(Art Apace-MEISEI/京都)
2023 FACE2023入選(SOMPO美術館/東京)
「「日本画・絵画論」を紐解けば」三人展(同時代ギャラリー/京都)
2025 「 ヒューヒュー Hew Hue 」4人展・キュレーション谷内春子 (+1art/大阪)
「大月コンテンポラリーアート2025」(COSA/高知)
「アーティストシリーズ+ 対話する風景」(清須市はるひ美術館/愛知)
「サーカス」(2kwギャラリー/滋賀)
プロジェクト
2015~2016 天若湖アートプロジェクト襖絵プロジェクトにて襖絵制作
2016 お披露目会「水と音の眺め」開催(世木の里とまり木/南丹市)
アーティスト・イン・レジデンス
2025 「大月コンテンポラリーアート2025」(COSA/高知)
賞
2014 京都春季創画展春季展賞
2016 琳派FOREVER新鋭選抜展NHK京都放送局長賞
所蔵
京都銀行、郷さくら美術館、三菱地所 グローバルビジネスハブ東京
Upcoming Exhibition 2
中島一平 NAKAJIMA Ippei
進 行形の絵画 Painting in progressive tense
会期:2026年1月31日(土)―2月22日(日)
時間:13時―19時(最終日17時迄)
休廊:月・火・水











